ビックさん家の長男

SHOUHEI君

ボクサー犬との出会い


翔平

長男 翔平(ショウヘイ)
2003年 翔平との出会い。
「ボクサー犬の仔犬がいるよ!見においで♪」との知り合いの方からの誘いを受け、私達はすぐに会いに行きました。まさか、その日から翔平が家で暮らすことになるなんて想像もしていませんでした。
「この仔は、本当に人が大好きで」と紹介された翔平。
パパに抱かれたまま体を器用にくねらせます。あまりの嬉しさに ウレションでご挨拶。今でもその光景が目に浮かびます。思う存分顔中に歓迎のキッスを受けたパパは私を見上げ「今日から家にくるって♪宜しく♪」と満面の笑みを浮かべその仔を優しく抱きしめました。
 

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出会ったのは生後4ヶ月頃。ケージの中にチョコンとお座りをしていた仔犬。
私達の顔を見て体が小刻みに揺れ始めます。一歩ずつ近づくにつれ、その小刻みしていた体は大忙し。これでもかと言う位に踊る踊る。前足はケージをしっかり掴み後ろ足は体の揺れを利用しながら、ジャンプ!ジャンプ!体以上に忙しい表情を見せるその仔犬に私達はすぐに夢中になりました。
「この仔は本当に人が大好きで」と紹介されたその仔犬を「可愛か!可愛か!!」と抱き上げると、顔中キッスの嵐で大歓迎。「フワフワで気持ちいい!やっぱり仔犬は暖かい!」と言いながら何だか違う暖かさに気が付いたパパ。
仔犬ちゃんからウレション洗礼を受けていました。「いいよ。いいよ。嬉しかった?緊張したもんね。お風呂に入ろっか。」と私の顔を見上げたその目が『いいよね?』と聞いています。私も『いいよ』と合図。すぐさま「今日から家に来るって〜♪宜しく♪」パパは洗礼を受けたままの姿で再び仔犬を優しく抱きしめていました。

そうと決まれば大忙し。まさかその日から迎えるとは考えていなかった私達は、知り合いの方に予防接種等の確認をし、1週間分のフードを頂きました。その仔をお風呂に入れて頂いている間に一次帰宅。
着替えを済ませ、ホームセンターへ走ります。必要な物は山程あるけれど、最低限必要な首輪、リード、フードボール、フリースの敷物、オモチャ等を購入。部屋を片付け、その仔のスペースを確保。ひと段落し迎えに行きました。その仔は初めての家をチェックして廻ります。どうだ?どうだ?目で追う私達に気付いたのか、お尻フリフリ戻ってきて「今日から宜しくね〜」と挨拶してくれました。

名前。この仔犬には母犬“ショウコ”から受け継いだ“ショウヘイ”と言う名前がありました。しかし私達にとって初めて迎える仔。自分達で決めようと買い物途中にいくつか候補を挙げていました。
家中のチェックを終えた仔犬に私達は候補の名前を伝えます。当の本人は相変わらず体をくねらせたり、「知らな〜い」とそっぽを向いたり。多くの候補も底をついてきた頃、『ショウヘイ』と声をかけるとその仔が「なぁに?」と振り向きます。ママからもらった自分の名前だもんね。しっかり覚えていました。
ビック家の長男は“ショウヘイ”で決まり。漢字でどう書くの?この字が格好いい!とパパ。『翔平』と名づけました。
初めて出会ったその日。翔平は、無邪気で賢い一面を見せてくれました。

SHOUHEIとパパ


翔平とパパは毎日どこでも一緒。仕事場へも同行し、教室の子供達とも仲良し。子供達に唇や耳を引っ張られても怒ることなくとても優しく子守役をしてくれました。お店のチラシ作りの為、写真を撮っている所へすかさず子供達の並ぶど真ん中に入ってきた翔平。看板犬としても大活躍!
人との触合いが大好きな翔平。特にパパとのボール遊びや休み時間のお昼寝が楽しみ。小さいボールは「待て」で上手に鼻の上に乗せ、大きいゴムボールはサッカーをしながら最後はかぶり付いてパン! 空気がなくなるまで前足で何度も踏み潰していました。遊び疲れたら、パパの腕枕でお昼寝。時にはぬいぐるみのバニーちゃんと一緒に眠る事もzzz
 

そんな翔平君。一度だけ行方不明になったことがありました。(後で聞いたのですが)
暖かい日には教室の玄関先で日向ぼっこをしていました。レッスンが終わり玄関に行くと、そこにいるはずの翔平がいません。パパは次のレッスンをキャンセルしあちこち探し回ります。探しても見つからず一度教室に戻ったところ、近所の子に連れられ帰ってきました。悪びれた顔一つせず「ただいま!」と言っていた様だったとパパは言います。その顔を見てホッとしたのと同時に翔平と近所の子に「勝手に着いて行ったら(連れて行ったら)いかん!」と叱ったそうです。
仔犬といえども牡のボクサー犬。子供からしてみれば、普通に力の強い大きな犬です。厳しくしつけをしていたものの大きな音や、散歩中の他の犬に反応すれば、リードを強く引っ張り子供を巻き込む大事故になったかもしれません。
近所の子にも翔平にも何事もなく無事帰ってきてくれて良かったと思う一方、飼い主としての責任の重大さを改めて考える日でもありました。
出会ってから数カ月、翔平は看板犬として大活躍。子守役も務めてくれ、私達には大きな課題を与えてくれました。

SHOUHEIとVivi


私はと言うと朝の散歩係。当時実家に住んでいた私は、パパのランチバックを届けると翔平を起こし散歩に出かけます。翔平が食事をしている横で私のコーヒータイム。食事が終ると必ず私の膝の上に体を乗せてきました。私はその温もりと力強い鼓動を感じながら、「よし、今日も頑張ろう」と仕事へ出かける。それが日課となりました。
雨や雪が降る朝、寒がりの翔平はケージの中でゴソゴソ、玄関先まで出てきても外を見るなり部屋に引き返したり。部屋に戻るとヒーターの前で、フリースに包まって眠るのが好きでした。寒い日の朝は何度遅刻しそうになったか・・・
『もっと早起きしなさいよ!』と自分で一人突っ込み。
得意なボール技 時間があると綿入りオモチャや編み物で敷物作り。最高にエキサイトしてくれたオモチャは、鈴入りのオモチャ。パパが「これだけはヤメテ!」と泣き事言ってたっけ。
たびたび、パパと練習したコマンドや新しいボール技を披露してくれました。トイレの失敗もなくなり足を上げて用を足す姿を初めて見た時には思わず涙しました。
彼の成長と共に私達の親バカへの道が開かれたのは言うまでもありません。
翔平とVivi出会ってから、一緒に過ごす時間は少なかったけれど、毎日毎日何かとやらかしてくれ笑いを提供してくれました。

SHOUHEIの病気


「ハァハァハァ」辛そうな息遣いに気が付いたのは生後10カ月半ば。そうひどくもなかった初めのうちは、「夏はもっと暑いよ!食欲も落ちてるし翔平大丈夫かな?夏バテには早すぎるよねぇ。」と呑気に話していました。
食事に関しては、食い付きが良くなればとドライフードの種類を変え、缶フードもプラス。念の為病院での診察も受け、少し貧血が有る様ですと鉄分のお薬とレバーの缶フードを頂きました。それでも食細は変わらず、食べ残す事もありました。息遣いの荒さは運動をしていない時にも目立ち始めます。再度獣医師さんに見てもらう事に。しかし、納得できる結果ではありません。別の病院へ行き獣医師さんに前の病院での結果を伝えると、「レントゲンを撮ってみましょう」と翔平と一緒にレントゲン室へ。結果を待つ私達に先生は、「この仔は、相当きついと思います。」と仰いました。
レントゲンを見せて頂くと、肋骨の線に沿って大きく丸い部分が見て取れました。「この大きく丸い部分が心臓です。この仔の心臓は、成人のゴールデンレトリバーの大きさ程ありますよ。見て下さい。心臓に押されたここが肺です。その下の方が胃の部分です。」先生は続けます「心臓肥大の病気です。肺には水が溜りやすいので、雨降りの日や湿気の多い日は十分に気を付けて下さい。今後は一生薬を飲んでいくことになるでしょう。」

・・・今でもそれを聞いた時の気持ちを上手く表現できません。
「負担をかけない為に、どの様に過ごせばいいですか?」と口に出すまでの時間がとても長かった様に感じました。
先生は、「遊びたい盛りの仔犬には大変酷ですが、出来るだけ走らせないように。散歩も暑い日には涼しい場所を選んで雨の日には出来るだけ外に出さないように。」とにかく運動を制限するようにと仰いました。
病院からの帰り道は、「翔ちゃんきついね。辛い思いさせてごめんね。」私達は繰り返し繰り返し話しかけました。翔平は私達の頬を交互に舐めてくれます。ボクサー犬らしく絶妙なタイミングで見せる無邪気な表情が「大丈夫!心配しないで!」と言っている様でした。
その後は、部屋の換気を今以上に良くする為、網戸の位置を変え風の通り道を作ったり、梅雨時期に入る前に出来るだけ湿気を無くすため除湿対策をしました。お散歩も休みながらの長い散歩だったり。いつもは走り回る公園でも歩く練習をしました。聞き分けの良い翔平。公園では走らないとすぐに理解してくれました。
生後11カ月に入った頃。運動制限を余儀なくされた翔平。辛い状態が続いているのに無邪気な表情を忘れません。

SHOUHEIとの別れ


とても暑い夏の日。その日は、いつになく甘えてきました。

フッと見た玄関の扉から始まった会話。「あの時は翔平やってくれたよね。」「やっちゃったねぇ。」
初めて一人でお留守番。翔平をケージから出し、リビングの扉を閉め、玄関の廊下だけを行き来できるようにして久しぶりの外食へ出かけました。食事に出かけたものの、翔平の事が気になって気になってしかたがない私達は、食事も会話もそこそこに切り上げ店を出ました。家に近づくにつれ「ウォン!ウォン!」と鳴き声が聞こえてきます。急いで玄関の扉を開けると、『何で一人にするんだ!僕だって行きたかったのに!』と勢いよく飛び出してきた翔平。思いっきり私達へタックルを食らわせた後は、『待ってたよぉ〜!お帰り!』とペロペロ攻撃。
「お待たせ!お待たせ!ごめん!ごめん!」と玄関先に立つ翔平をよくよく見てみると、そこら中に木くずが散らばっています。!?玄関の扉を開けると、内側が見事!今にも穴が開きそうな見るも無残な状態。「コラ!翔平!」と一喝するも、今更怒られても翔平にはなんのことやら。散らばった木くずを掃き掃除。
「もう二度と一人にしないからね。」と約束したあの日。。。
 

人間様は勝手なもので。。。
「翔ちゃん1歳になって、ずいぶんお留守番も上手くなってきたよ。人が来ても教えてくれるし本当に助かる。」「見てて」とパパ。翔平に気がつかれない様に扉をノックノック。『ウォン!ウォン!』「ね!教えてくれるとよ。グッドボーイ翔平!」もう一回と言いながら、何度もやってみせるパパ。いつも以上にスキンシップをしたがる翔平は、パパと私に交互に体を寄せてきます。「そんなに興奮させるとおしっこ近くなるから。。。そう言えばそろそろお散歩ね!翔ちゃん外に行こうか。」
いつもと同じ休日。いつもと同じ場所に。新しい首輪を着けて。翔平とViviのお散歩。
 

暑い陽射しも傾き始め、涼しくなった夕方のお散歩。翔平は、自分の用事を済ませるとお尻フリフリ歩きます。「帰ってご飯食べようね。」と話しかけていると、前方に野良猫を発見。「駄目よ!」の声より先に野良猫を発見した翔平は既に駆けだしていました。
野良猫は空き地に取り残された塀の上に飛び乗り、翔平は塀の下で止まります。しばしの睨み合い・・・・
「翔平駄目!」私のその一声が合図になってしまいました。野良猫は塀の上を翔平はその下をまるで忍者の様に並行しながら猛ダッシュ!塀から飛び降りた野良猫に飛びかかる翔平。野良猫はそれをスルリとかわし植え込みの向こうに逃げて行きました。『ウォン』出てこい!出てこい!とばかりに植え込みに顔を突っ込む翔平に、「猫ちゃんもう行ったよ。翔ちゃん帰ろう!」と私。それでも野良猫が飛び込んだ植え込みを掘り掘り。「ショウヘイ帰ろう!」立ち上がり振り向く姿がスローモーションの様に焼き付いています。
『チェッ。もう少しだったのに逃げちゃった。』とがっかりした様なもう少し待ってと言いたげな表情。
仕方ないなと、振り返り1歩・・2歩・・・バタンその場に倒れ込みました。「ショウヘイ!!!!!」駆け寄り顔を覗き込むと舌をダランと垂らしたまま『ハァハァ』と荒い息をしています。胸に手を当てると力強い鼓動が徐々に弱くなってきました。「ショウヘイ!駄目よ!息しなきゃ!パパ呼んでくるから!」家までの数十メートルを「パパ!パパ!ショウヘイが!」と大声で叫びながら走りました。すぐに翔平の元に戻ります。鼓動は弱くなるばかり。翔平を抱え込み胸に手を当てているパパは「先生に電話してくる」と言う私を見て、首を振り返しました。「He is dead...」

そんなはずないじゃない!まだ温かいじゃない!私達を見ているじゃない!そんなはずない!そんなはずない!
翔平を抱きかかえ家に戻り、翔平が眠るいつもの場所へ寝かせました。私は翔平の隣にしゃがみ込み泣きながら話しかけていました。その後の数時間全く記憶が残っていません。気が付けば、妹が来ていて、パパとペット霊園に連絡を入れる準備をしていました。

翌日、私達はペット霊園のあるお寺で翔平をおくりだしました。
1日が過ぎ2日が過ぎ・・・気の抜けた生活でした。数日たっても「私のせいだ。私のせいだ。」と泣きながら繰り返す私にパパは「翔平は病気やったと。どうしようもなかったと。最後に猫ちゃん追いかけて思いっきり走ったとやけん。もう苦しくないけん。」とほろりと涙を流した後、声をあげて泣きだしました。
パパはずっと我慢していました。毎日毎日翔平と一緒だったパパ。毎日、毎時間、レッスンのある度に生徒さんから「翔平は?」と尋ねられ涙を堪えて何度答えたことでしょう。私以上にとても辛く悲しかったに違いありません。
その日を境に、私達は翔平の思い出話をするようになりました。そうすることで、翔平の短すぎた人生を私達の中でリピートし常に存在させていたのです。もちろん、最後の日の事も繰り返し話します。その時はまた泣きながらも笑い話に変えていました。翔平が亡くなって6年。今でも翔平の話をします。時には夜中まで語ることもあります。
翔ちゃん、家に来て幸せだったかな?

新しい首輪をつけて(1歳の誕生日のプレゼント)

出会ったその日からボクサー犬の素晴らしさを教えてくれた翔平。
出会ったその日から沢山の愛情をくれた翔平。
私達とボクサー犬との初めての出会い。
 

翔平 2003年6月23日生まれ。2004年7月4日大空へと旅立つ。(1歳と11日)

 
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SHOUHEI

獣医師から「心臓肥大」と診断を受けヤンチャ盛りに運動制限を余儀なくされた翔平。
病名を告げられわずか2ヶ月。この世に生を受け376日。
短すぎた命。
 

翔平と過ごした思い出をこのページに綴りたいと思います。

〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜

・ボクサー犬との出会い
・SHOUHEIとパパ
・SHOUHEIとVivi
・SHOUHEIの病気
・SHOUHEIとの別れ

〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜

パパの営む英会話教室では看板犬として時には子守犬になり大活躍。沢山の人から愛され、その愛をボクサー犬の魅力で、たっぷり返してくれました。

ボクサー犬の素晴らしさを教えてくれた翔平。私達を夢中にさせて親バカへの道へと導いてくれました。親バカ道。現在更に進化進行中。

〜☆〜おまけの話〜☆〜

その1
翔平が家に来て間もない頃。トイレを失敗して「やばい!」と逃げながら、リビング中にマーキング。逃げ隠れたソファーの横からちょこんと顔を出したその表情があまりにも可愛過ぎて私達は叱る事を忘れ、思わず吹き出しました。

その2
シャワーから出ると必ず猛ダッシュでブルブルしながら走り回って廊下中水浸しにしてくれました。シャワーを浴びる日。ビック家の大掃除の日。

その3
お散歩途中、信号待ちでは必ずお座り。とても暑い日翔平はなかなか座りません。
その日パパは「翔平!座りなさい!」と叱りました。『冗談だろ!?嫌だ!』と見上げる翔平。何で言う事を聞かないの?見つめ返すパパ。目と目で通じあう♪(フルッ)

〜 メンズトーク 〜
パパサン、アスファルトアツイノデス。
だって今日暑いもん。
パパサンモ スワッテミテ。タマタマガ ヤケルノデス。
熱ッ!(想像してみたパパ)
ごめん翔平。暑い日はいいよ。
パパサン、ワカレバヨイノダ。
 

その4
車の中でお留守番も得意!?
エヘヘ♪今日は何かな?
小学校でのレッスン中、翔平は車の中でお留守番。かぁちゃんの作ったお弁当♪今日は何かな?お腹をすかせて帰って来たパパを待っていたものは!空になったランチボックス。。。翔ちゃん、上手に開けて食べたんだね。デザートには、パパの大好きなCDとかぁちゃんがプレゼントした眼鏡ケース。今日も満腹満足。いつもありがとう!
…って食べてたの翔ちゃん!?




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